Marine

拓海広志『新訂ビジュアルでわかる船と海運のはなし』

拙著『ビジュアルでわかる船と海運のはなし』の新訂版が、2017年2月27日に発行されることとなりましたので、紹介させていただきます。出版元である成山堂書店のサイトを下記しますので、よろしければご覧ください。 ※拓海広志『新訂ビジュアルでわかる船と海…

拓海広志「統合的にみる「海」とは〜民族移動と文化の伝播〜」

2012年に開催された「KOSMOSフォーラム<統合的視点でみる『海』とは〜民族移動と文化の伝播>」の議事録がようやくアップされました。なかなか面白い内容なので、是非読んでみてください! 下記URLよりフォーラムの議事録に入れます↓。 http://www.expo-cos…

拓海広志「『ビジュアルでわかる船と海運のはなし』三訂増補版」

拙著『ビジュアルでわかる船と海運のはなし』(成山堂書店)の三訂増補版が8月8日に発売されます。各種の法・制度改正への対応、海運・造船・物流ビジネスの環境変化(EC物流を含む)への対応をした上に、資料・図版・写真を増やしています。是非『ビジュア…

拓海広志「『マナは海に向かう』に寄せて・・・」

『老人と海』の葉山版? しかし、その時代は平成で、海に立ち向かうのは、老人ではなくて高校生の少女だ。海が大好きで、誰よりも正義感が強く、そして友情には熱い。マナは本当に素敵な少女だ。 一本釣りの漁師だった祖父の命を奪った巨大なキハダマグロを…

拓海広志「『キャプテンの責務』に寄せて・・・」

2009年にソマリア沖で海賊にシージャックされた「マースク・アラバマ」のリチャード・フィリップス船長の手記。本船の出航前から事件に至るまで、また事件後に自身が救命艇に乗せられて海賊に拉致され、米国海軍に救出されるまでの一部始終が詳細に綴られて…

拓海広志「アメリカン・ポップスを歌う♬」

僕が中学生時代に初めて組んだバンドでやっていたのは、初期のエルヴィス・プレスリーがやっていたようなカントリー・ロックでした。懐かしいですね! 「The Hyper Bad Boys」では、そんな曲も含めてアメリカン・ポップスを時々演奏しています。 ★『Blue Moo…

拓海広志「『海と大陸』に寄せて・・・」

久しぶりに神保町の岩波ホールに足を運び、『海と大陸』という題のイタリア映画を観てきた。地中海に浮かぶ人口450人、面積5.45平方キロメートルの小島リノーサを舞台とした作品だ。島で代々漁業を営んできたプチッロ一家だが、海を漂流し遭難しかかっていた…

拓海広志「逗子の海・・・」

波穏やかな逗子・葉山の海で、初心者向けのシーカヤック講習を行った。逗子海岸から沖へ出て、森戸海岸沖の名島に上陸。島で龍神宮にお参りしてから、芝崎漁港まで漕いで昼食。それから再び逗子海岸まで漕いで戻るという手軽なコースだったが、その日は岸か…

拓海広志「三崎港にて・・・」

バンド「The Hyper Bad Boys」の仲間と共に、三浦半島の油壺にあるマリーナからモーターボートを出艇させ、江ノ島〜城ヶ島界隈の海を軽くクルージングしてきた。僕はこのエリアでカヤックを漕いだりヨットを帆走させて遊ぶことが多いのだが、三浦半島の山並…

拓海広志「八丈島の海・・・」

仲間内で「東京から時間的に一番近いグランブルーはどこだ?」という話題になると、僕は迷わず「八丈島だ」と答えることにしている。全日空機で羽田から僅か45分のフライトで到達するこの島の海の素晴らしさを知っている人ならば、たぶん異論はないのではな…

拓海広志「枕崎の海・・・」

かれこれ20年近い付き合いとなる、僕よりも一回り半ほど若い畏友・高橋素晴さんが住む枕崎を訪ねた。この町で塩作りをしながら、環境や地域、食をテーマとする様々なNPO活動を展開している彼と共に、黒潮寄せる海でカヤックを漕ぎ、海に潜って銛で魚を突くの…

拓海広志「マウ・ピアイルックさんの訃報」

ミクロネシア・サタワル島出身の航海者、マウ・ピアイルックさんが亡くなった。アメリカ建国200周年を祝して行われたダブルカヌー「ホクレア」のナビゲーターとしてハワイ〜タヒチ間の航海を成功に導き、ハワイのナイノア・トンプソンさんの師匠ともなった、…

拓海広志「Ocean Legendの航海を支援します!」

数週間前のことですが、僕は三浦の和田海岸長浜にて、デューク金子さんが主宰する「Ocean Outrigger Canoe Club」の練習に参加させていただき、6人乗りシングルアウトリガーカヌーを漕いできました。仲間と息を合わせて舟を漕ぐというのは、それがボートであ…

拓海広志「城ヶ島の海・・・」

僕が週末に思い立ってぶらりと訪ねることの多い場所の一つに、三浦半島沖の城ヶ島がある。カヤックで島の南に広がる太平洋に漕ぎ出し、ゆったりとしたうねりに揺られながらひたすら沖へ向かって漕いで行くのは爽快だ。つい先日もそんな風に洋上で半日を過ご…

拓海広志「台風一過の伊豆の海」

台風一過の週末。僕は20年来の海仲間・柴田雅和さんと共に、松崎をベースにして南伊豆〜西伊豆の海をボートでクルージングしていました。堂ヶ島の奇岩めぐりをし、安良里では加山雄三さんの「光進丸」と出会い、そしてきれいな入り江を見つけるとアンカーを…

拓海広志「真鶴の海・・・」

20年ほど前から僕がよく通っている海辺の町の一つに真鶴があります。日本三大船祭りの一つ「貴船祭り」で知られる貴船神社にお参りをしてから、マリーナで借りたモーターボートや友人のヨットで初島まで渡って素潜りをしたり、あるいは真鶴半島周辺の海をひ…

拓海広志「黒潮農場の『地球の塩』」

僕よりも一回り半ほど歳の若い親友で、僕の海の仲間でもある高橋素晴さんが、鹿児島県の枕崎、坊津を拠点に多彩な活動を展開しています。その核となるのが「黒潮農場」での天然塩の製造・販売事業なのですが、彼はその塩に「地球(ほし)の塩」と命名しまし…

拓海広志「久しぶりの『海王丸』」

航海訓練所の練習帆船「海王丸」が横浜港に入港したので、翻訳家の加藤晃生さんらと共に訪問してきました。現在の船長はアルバトロス・クラブのメンバーでもある国枝佳明さんですが、国枝さんは僕が「海王丸」の僚船「日本丸」に訓練生として乗っていた頃に…

拓海広志「串本の海・・・」

和歌山県の串本に、円山応挙と長沢芦雪の絵画を蔵する串本応挙芦雪館を併設することで知られる、無量寺という寺があります。そこの住職・八田尚彦さんは僕の海&酒友達なのですが、八田さんは串本の港に愛艇を繋いでおり、セーリングに関しては相当な腕前で…

拓海広志「『るにんせん』に寄せて」

故團伊玖磨氏が八丈島と縁深く、氏のアトリエがあった樫立で毎年「團伊玖磨先生を偲ぶ会」が催されていることは知っていましたが、僕はこの小説を読んで團紀彦氏の八丈島への思いとその歴史や文化への造詣の深さについても知りました。 『るにんせん』は、天…

拓海広志「『ダイバー漂流』に寄せて」

僕は長時間をかけて海で泳いだり、素潜りして遊ぶのが大好きだ。長い時間泳いでいると、徐々に身体が海水に溶け出していき、どこまでが自分の身体で、どこからが海なのかハッキリしないような不思議な感覚になるが、それがまた心地よいのだ。しかし、本書を…

拓海広志「『ナツコ 沖縄密貿易の女王』に寄せて」

太平洋戦争前後の動乱期に、沖縄、八重山、フィリピン、台湾、香港、そして神戸を結ぶ海を駆け巡って生きた女性ナツコの物語です。 ナツコと同時代を生きた人には大浦太郎、照屋敏子といった著名人もいますが、僕は本書を読んで初めてナツコが沖縄の人々の心…

拓海広志「『航海者』に寄せて」

『航海者』は三浦按針ことウィリアム・アダムスの半生を描いた作品で、数ある白石一郎さんの海洋小説群の中でも読み応えのある力作です。特に帆船「リーフデ」による厳しい航海と臼杵への漂着を描いた序章「マゼラン海峡」は圧巻で、死の危機に直面した航海…

拓海広志「『地域漁業の社会と生態』に寄せて」

筆者の北窓時男さんは現在でこそ研究者の道を歩んでいますが、元々は海外青年協力隊や民間会社に属しながら、東南アジアの漁業実態を調査してこられた方です。 本書は同氏のインドネシアでのフィールドワークが結実したものです。テーマは「漁業技術」という…

拓海広志「ホクレア号横浜寄港記念シンポジウム」

先だって紹介させていただいたハワイのカヌー「ホクレア」がいよいよ日本にやって来ました。糸満、宇土、長崎、福岡、周防大島、広島、宇和島と各地を巡り、ゴールは横浜となります(先日、僕も周防大島で翻訳家の加藤晃生さんと共に「ホクレア」を迎えまし…

拓海広志「『守護神』に寄せて」

最初にこの映画のタイトルを聞いたときに「守護霊」と読み違え、心霊映画なのかと勘違いしてしまいましたが(笑)、実はアラスカの海で黙々と遭難者たちを救い続けた真の海の男の物語であることを知り、胸が熱くなりました。 2005年の夏にハリケーン・カトリ…

拓海広志「『グラン・ブルー』に寄せて」

フリーダイバーのジャック・マイヨールとエンゾ・モリナーリを巡る友情と挑戦のドラマ。少年期を共に海で過ごした二人は、ひょんなことから巡り会い、再び海で競い合う関係になります。 しかし、深海環境への適応性において、ジャックは特異体質と言ってもよ…

拓海広志「『マスター&コマンダー』に寄せて」

サンディエゴの港で、この映画のロケ用に作られた船「サプライズ」を見学したことがあります。船内に入ってみると何もかもが張りぼてだったのですが、それをうまく使ってこれだけリアルで迫力のある映像が作れるのだから大したものです。 この映画で描かれて…

拓海広志「『老人と海』に寄せて」

マイアミから車を飛ばし、キーウェストを訪ねたことがあります。かつてヘミングウェイが愛した島はすっかり観光地と化し、彼が毎日のように通ったというSloppy Joe's Barも大勢の観光客で深夜まで騒々しかったですが、フロリダ海峡の水の青さだけはたぶん当…

拓海広志「『海の上のピアニスト』に寄せて」

船を舞台とする映画の中でも僕が特に偏愛する作品です。アレッサンドロ・バリッコの原作(一人芝居の戯曲)も面白かったですが、映画はそれに基づきつつも、全く別のテイストに仕上がっています。 19世紀から20世紀にかけては多くの客船がヨーロッパとアメリ…