拓海広志「三崎港にて・・・」

 バンド「The Hyper Bad Boys」の仲間と共に、三浦半島の油壺にあるマリーナからモーターボートを出艇させ、江ノ島城ヶ島界隈の海を軽くクルージングしてきた。僕はこのエリアでカヤックを漕いだりヨットを帆走させて遊ぶことが多いのだが、三浦半島の山並みの緑を眺めながらのボートクルージングもなかなか心地よい。


 マリーナで働く神奈川県立三崎水産高校(現神奈川県立海洋科学高校)出身の若者と仲良くなり、いろいろな話をした。海洋科学高校の校訓は「海を知り、海を守り、海を拓く」ということだが、これは素晴らしい志だと思う。これからも、海と深く関わって生きる若者たちを輩出し続けてほしい。


 三崎はマグロなどの遠洋漁業の基地として有名だが、相模灘東京湾での沿岸漁業も盛んで、僕は三崎を訪ねるとマグロよりもむしろ新鮮な地魚を好んで食べている。この日も昼食には美味しい地魚を堪能した。特に大型のカマスの刺身とキンメダイの煮付けは絶品だった。


 クルージングの後は、三崎港にある隠れ家的スタジオにこもってバンドの練習を行った。バンド練習の合間に三崎港を散歩していると、福島県立いわき海星高等学校練習船「福島丸」が停泊していた。船員に寄港理由を尋ねると、この度の地震津波によって東北のドックの多くが破壊されたので、船の検査と整備のためにわざわざ三崎まで回航してきたのだという。


 前夜に、震災ボランティア・コーディネーターとして米沢を拠点に活躍されている「ボランティア山形・米沢」丸山弘志さんによる活動報告会が東京の青山で催された。僕もボランティア仲間と共にそれを聞きに行ったのだが、三崎港で「福島丸」に出会ったことで、こんなところにまで災害の影響が及んでいたことを思い知った次第である。


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【福島丸】


三崎マグロ風土記―みなとまちの五十年

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沿岸漁業九十年誌 (1961年)

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郷土芸能ちゃっきらこ風土記 (1967年)

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ビジュアルでわかる船と海運のはなし

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キアズマ

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モントルー・アフター・グロウ

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ラプソデイ・イン・ブルー

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