拓海広志「城ヶ島の海・・・」

 僕が週末に思い立ってぶらりと訪ねることの多い場所の一つに、三浦半島沖の城ヶ島がある。カヤックで島の南に広がる太平洋に漕ぎ出し、ゆったりとしたうねりに揺られながらひたすら沖へ向かって漕いで行くのは爽快だ。つい先日もそんな風に洋上で半日を過ごし、それから少し海に飛び込んで泳いでみたのだが、11月でもまだ水温はさほど冷たくなく、とても気持ちがよかった。


 海でたっぷり遊んだ後は、定宿にしているプチホテルに戻り、海に沈む夕陽を眺めながらテラスでビールを飲む。そして食事の後は、宿のバーで軽くスコッチを飲みながらバーテンダーとの会話を楽しむというのが、ここでのいつもの夜の過ごし方だ。カジュアルな雰囲気の中、波の音をBGMにゆったりと過ごせる夜は、まさに至福の時である。


 城ヶ島といえば北原白秋との縁が深いことで有名だが、白秋が作った『城ヶ島の雨』の歌詞は実にロマンチックだ。こんな曲を口ずさみながらカヤックを漕ぐのも悪くない(笑)。


城ヶ島の雨】
(詞/北原白秋・曲/梁田貞


 雨はふるふる 城ヶ島の磯に
 利休鼠の 雨がふる

 雨は真珠か 夜明けの霧か
 それともわたしの 忍び泣き

 舟はゆくゆく 通り矢のはなを
 濡れて帆上げた ぬしの舟
 ええ 舟は櫓でやる 櫓は唄でやる
 唄は船頭さんの 心意気

 雨はふるふる 日はうす曇る
 舟はゆくゆく 帆がかすむ


(無断での転載・引用はご遠慮ください)



カヤックを漕ぎ終えたら、やっぱりビール!】


かもめ児童合唱団「城ヶ島の雨/あなたが美しいのは」

かもめ児童合唱団「城ヶ島の雨/あなたが美しいのは」

城ヶ島に生きる野良猫たち

城ヶ島に生きる野良猫たち

Round About Midnight

Round About Midnight

Milestones

Milestones