拓海広志「ホクレア号横浜寄港記念シンポジウム」

 先だって紹介させていただいたハワイのカヌー「ホクレア」がいよいよ日本にやって来ました。糸満宇土、長崎、福岡、周防大島、広島、宇和島と各地を巡り、ゴールは横浜となります(先日、僕も周防大島で翻訳家の加藤晃生さんと共に「ホクレア」を迎えました)。


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 横浜港では「ホクレア」が入港する6月9日から出港する17日にかけて、同船の寄港を記念して様々なイベントが催されます。そして、その最終イベントとなるシンポジウム「ホクレア号に学ぶ」に僕も参加することになりましたので、ご案内させていただきます。以下は、このイベントを企画された加藤さんによる趣意書からの抜粋です。


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 「ホクレア号横浜寄港記念シンポジウム」
 「ホクレア号横浜寄港記念シンポジウム会場地図」


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ホクレア号横浜寄港記念シンポジウム「ホクレア号に学ぶ」
・日時:2007年6月17日13時〜16時
・会場:横浜港・大さん橋ホール


※趣旨(by 加藤晃生)

ホクレア号の日本航海もいよいよ大詰めを迎えています。そしてホクレア号糸満市宇土市長崎市、福岡市、周防大島町広島市宇和島市と寄港してゆく中で、様々なものを私たち日本列島の住民たちに残していってくれました。

また、さらに視野を拡げれば、1月にハワイを出航してからマーシャル諸島ポンペイ、チューク、サタワル、ユリシー、ヤップ、パラオと訪ねるミクロネシア航海においても、ホクレア号は私たち地球人が現在直面している色々な課題について気付かせてくれたのではないでしょうか。

そこで次に私たちが考えなければいけないのは、「それでは私たちはホクレア号の航海にどんな形で応えていけば良いのか?」という問題です。

とはいえ、日本列島とハワイ諸島では島々の大きさや数も、また重ねてきた歴史も全く異なります。ですから、ハワイの人々がホクレア号を用いて取り組んでいるようなことをそのまま私たちの国に持ち込んでも駄目なのではないか。そうした疑問がこのシンポジウムの出発点です。

日本という広大な国にはハワイの100倍の数の人が住み、また亜熱帯から亜寒帯までの幅広い気候と変化に富んだ地形が備わっています。そんな私たちの故郷において、ホクレア号がハワイで成し遂げてきたような素晴らしい成果を生み出すには一体どうしたら良いのか、一緒に考えてみませんか?


※シンポジウム出席者(予定):

・内野加奈子(写真家、ホクレア号クルー)
・荒木汰久治(プロ・オーシャンアスリート、ホクレア号クルー。著書に『ウォーターマンへの道−本物の「強さ」を求めて』等がある)
・林和代(フリーライター。ナイノア・トンプソンの恩師であるミクロネシア連邦の航法師マウ・ピアイルグと深い親交がある)
石川直樹(冒険家、写真家。ナイノア・トンプソンの師匠であるマウ・ピアイルグに航海術を師事。著書に『いま生きているという冒険』等がある)
・拓海広志(海洋エッセイスト、オフィス☆海遊学舎主宰。かつてヤップ島においてマウ・ピアイルグの協力を得てヤップ〜パラオ間の石貨運搬航海を復活させる。著書に『ビジュアルでわかる船と海運のはなし』がある)
・藤崎達也(シレトコ先住民族エコツーリズム研究会代表。ホクレア号のクルーであった故タイガー・エスペリの薫陶を受け、アイヌ民族のカヌーを用いたエコツーリズムに取り組む)
・阿部珠理(立教大学社会学部教授、北米先住民研究。ラコタ・スー族居留地での調査経験が豊富であり、アメリカ合衆国における先住民問題に詳しい。著書に『アメリカ先住民−民族再生に向けて』等がある])


※企画・司会:加藤晃生(翻訳家、立教大学非常勤講師。「ホクレア号航海ブログ」翻訳担当。訳書に『星の航海術をもとめて:ホクレア号の33日』等がある)


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 僕がこのシンポジウムに参加することにしたのは、加藤さんと周防大島で語り合い、シンポジウムの趣旨と加藤さんの情熱に共感したからです。でも、あまり肩肘を張りすぎず、楽しい語らいの場になればよいなぁと考えています。シンポジウムの後は、打ち上げパーティーなども計画されているそうですので、興味のある方は是非、大さん橋ホールにお越しください。お会いできるのを楽しみにしています。


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