拓海広志「逗子の海・・・」

　波穏やかな逗子・葉山の海で、初心者向けのシーカヤック講習を行った。逗子海岸から沖へ出て、森戸海岸沖の名島に上陸。島で龍神宮にお参りしてから、芝崎漁港まで漕いで昼食。それから再び逗子海岸まで漕いで戻るという手軽なコースだったが、その日は岸からの風が多少吹いていたので、初めてカヤックを漕ぐ人にとっては少しタフだったかも知れない。それでも、皆初めてのシーカヤックを堪能してくれた。

　僕は逗子の町と海が好きなので、時々ここを訪れている。のんびりとした町と穏やかな海の風情に合わせて、なかなか良い感じのカフェやバー、シネマなどがあるのが嬉しいが、最近はキマグレンがやっている海の家＆ライブハウス「音霊OTODAMA SEA STUDIO」にも時々足を運んでいる。しかし、そういうお洒落な店ばかりではなく、逗子には美味い地魚をたべさせてくれる居酒屋や定食屋もちゃんとあるのがいい！（笑）。

　シーカヤックの講習会を終え、鎌倉材木座の銭湯「清水湯」で一風呂浴びてから小宴を催した。いつのときでも、海で遊んだ後のビールは最高だ。海の話やカヤックの話で大いに盛り上がった後、東日本震災後の東北の状況やそこでのボランティア活動の話になった。僕も震災後に何度か東北地方に足を運んでボランティア活動を行ったり、被害を受けた友人を見舞ったりしているのだが、そこで若者や学生を中心に実に多くの人がボランティア活動を行っているのを目にして感銘を受けている。

　今回のシーカヤック講習会に参加したメンバーの中にも、何度か東北地方へ足を運んでボランティア活動を行っている人がいて、色々と有意義な話を聞かせてもらった。僕はボランティア活動に必要なのは、「無私の私心」だと思っている。「無私」とは文字通り「他者のため、公共のために活動する」という意味だが、「私心」とは「私自身がやりたいから活動する」という意味で、これはボランティア活動が恩着せがましくならないための戒めだ。彼も僕と同じ考えをしていたため、その夜はなかなか話が弾んだ。

（無断での転載・引用はご遠慮ください）