拓海広志「串本の海・・・」

 和歌山県の串本に、円山応挙長沢芦雪の絵画を蔵する串本応挙芦雪館を併設することで知られる、無量寺という寺があります。そこの住職・八田尚彦さんは僕の海&酒友達なのですが、八田さんは串本の港に愛艇を繋いでおり、セーリングに関しては相当な腕前です。


 古座川沿いにある神保圭志さん(フィリップ・ゴールドバーグ著『直観術』の翻訳者。筆名は雑賀紀彦さん)の宿「神保館」に泊めていただき、カヤックで古座川下りを楽しんだり、古座や串本の海で潜ったりするのは、熊野の海・山・川・人をこよなく愛する僕にとって至福の時の一つですが、八田さんのヨットで海に出るのもまた愉しいひと時です。


 串本の海は大らかで美しく、水温も古座あたりに比べるとやや高くて、沖に浮かぶ大島に守られているお陰で波も穏やかです。また通夜島や双島、串本海中公園周辺の珊瑚は素晴らしく、素潜りやスキューバダイビングをするには最高の海です。こういう海で終日遊んでいると、本当に豊かな気持ちになってきますね♪


 ところで、串本と言えばかつてアラフラ海あたりに多くのダイバーを送り込んだことでも知られる町です。僕も往時のダイバーだった城谷勇さんという方を訪ねてインタビューを行い、そのライフ・ヒストリーの片鱗を書き留めたことがあるのですが、かつての熊野の海人たちの話は豪快で楽しいです。


 僕は若い頃からずっと日本と世界の各地を旅してきましたが、そんな中で数え切れないくらい多くの素敵な人たちと出会ってきました。それは僕の人生における無形の財産のようなもので、八田さん、神保さん、城谷さんといった串本の人たちとの出会いもそうです。これからもずっとそんな旅を続けながら、生きていきたいものです。


(無断での転載・引用はご遠慮ください)



【八田尚彦さん(向かって右側)の愛艇でセーリングを楽しむ】





【古座川をカヤックで下る】


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