拓海広志「理学とLogistics」

 先日、「渋滞学」や「無駄学」で知られる西成活裕さんが座長を務める某研究会(非公開)で、製造業のGlobal SCMとLogisticsにおける課題について講演する機会を与えていただきました。


 僕はこれまでにも類似のテーマで、国内では東京商工会議所、在東京ドイツ商工会議所、神戸大学、日本ロジスティクスシステム協会、大阪府飴菓子工業協同組合、IBM主催シンポジウムなどで、また海外でもシンガポールバンコク、クアラルンプール、ジャカルタ、上海、蘇州、深圳、香港などで、主に企業人や工学系の研究者・学生を対象に講演を行ってきました。しかし、今回参加された方々は数学や物理の研究者が大半でしたので、とても新鮮な経験をすることができました。


 経済のグローバリゼーションにより、調達・生産・販売の現場が世界中に広がった製造業者にとって、そのサプライチェーンネットワークを最適化することと、顧客へのサービスレベルを維持・向上しながら、SCM全体において在庫を適正化し、さらに適正在庫レベル自体を削減していくことで総ロジスティクスコストを下げることは、非常に重要な経営課題です。こうした課題の解決に向けて、理学的アプローチの可能性を探ろうというのが同研究会の目的なのですが、これは僕にとっても非常に興味深い話であり、大いに刺激を受けた次第です。


 この研究会のネクストステップとして、来る3月11日に東京の日本科学未来館にて、ESRIシンポジウム「サービス・イノベーションへの期待『理学は、実業の諸問題を解決出来るか』」(主催:内閣府経済社会総合研究所)が開催され、僕もパネリストの一人として参加させていただく予定です。こちらの方は公開ですので、よろしければお越しください。


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