拓海広志「『おれがあいつであいつがおれで』に寄せて」 

 『おれがあいつであいつがおれで』は男の子と女の子が入れ替わるという『とりかへばや物語』の現代版、NHKのドラマ『どっちがどっち』の原作です。


 お互いの身体が入れ替わることによって、二人は徐々により深く相手のことを理解するようになりますが、それは性差を超えて一人の人間として相手を大切にすることを意味するのでしょう。


 自然に起こった出来事に対して無闇に抵抗せず、いったんはあるがままに受け容れてみること。そうすると今まで見えなかったものが見えてくる。そんな柔らかな考え方も心地良く感じられる作品です。


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おれがあいつであいつがおれで (山中恒よみもの文庫)

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