拓海広志「『意識と脳』に寄せて」
「生命の起源と人類文化の将来を考えるときに、太陽系の歴史が問題になる」。『意識と脳−精神と物質の科学哲学』という著書でそう語る品川嘉也氏は、人間界を含む自然界で起こる出来事の間には相互に何らかの関係があり、その場合の自然界というのは少なくとも太陽系くらいまで拡張して考えるのが適切だと考えています。
品川氏は宇宙の膨張によって情報が生まれたとし、物質、生命、意識を全て情報構造と見なすことによって、それらを関係づけることができると説いているのですが、これはマクロコスモスとしての自然とミクロコスモスとしての人間の関係論としては最も巨視的な立場からの見方であり、とても面白く読めた本です。
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拓海広志『信天翁ノート(2)』
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意識と脳―精神と物質の科学哲学 (1982年) (叢書・脳を考える)
- 作者: 品川嘉也
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