拓海広志「『ハイ・ソサエティ』に寄せて」

　レンタカーを借りてイギリスを一周したときに立ち寄った田舎の古城で、そこを所有している地方の金持ちの豪勢な暮らしぶりを見たことがあります。

　その時、つい鼻歌で口ずさんでしまったのが、この映画の中でサッチモことルイ・アームストロングが歌う「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ・ソサエティ」というフレーズ。

　それを横で聞いていた中年のアメリカ人旅行客はニッコリ笑うと、僕に向かって「OK」の指サインを送ってきました。彼もきっとこの映画を観てますね！

　まあ、ストーリーは極めて単純でお気楽な娯楽映画なのですが、僕は『雨に唄えば』を頂点とするこの種のミュージカル映画は大好きなんです。

　また、『ハイ・ソサエティ』では、ビング・クロスビーにフランク・シナトラとサッチモが絡んでいるのですから、音楽シーンはさすがにいいです。特にクロスビーとシナトラが書斎で踊りながら歌うシーンは見逃せません。

　あまり難しいことは考えずに、古き良き時代のアメリカの夢物語を楽しんでみましょう！

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