拓海広志「エアライン」
僕はいつも仕事と趣味で色々なところを旅しているため、飛行機に乗る機会がかなり多いです。利用するエアラインの種類も行く先によって多種多様なのですが、特にヨーロッパへはLH、アメリカへはUA、東南アジアへはSQ、TG、中国・香港へはNH(ANA)を、また日本国内でもNH(ANA)を利用することが多く、つまりスターアライアンス・グループのエアラインにはずいぶんお世話になっています。
航空業界ではサウスウェスト、コンチネンタルといった会社の経営がしばしば注目を集めますが、グローバルキャリアの中ではBA、LH、SQといった会社の経営に見るべきものがあると僕は思っています。これらの優良エアラインの飛行機に乗ると空港カウンターの係員からクルーに至るまで、キビキビ&イキイキしていて、気配りもよく、とても良い気持ちにさせてくれます。また、安全面への信頼も高いです。
一方、日本ではここ数年のANAの頑張りが評価に値すると僕は思っています。勿論、同社にもまだ課題はたくさんあるでしょうし、先だっての突然のスト決行のように客をトラブルに巻き込んでしまうやり方は労働組合の時代錯誤を感じさせる面があります。しかし、それでもANAに対する顧客満足度は以前に比べてかなり上がってきているように思いますし、僕自身も非常に好感を持っています。
会社というのは生き物のようなもので、その規模の大小にかかわらず、経営者と従業員が一体感を持ち、個々の厳しい使命感に加えて仲間への愛情と多少の遊び心を持って仕事が出来る環境を作らないと、なかなかうまくいかないように思います。特に接客業においてはそのことは顧客にも敏感に伝わり、それがまたサービスを提供する側に影響を及ぼします。この循環を良くすることはとても大切でしょう。
僕にとって機内はオフィスでもあり、寝室でもあり、時にはバーでもあるわけですから、当然快適であってほしいと願うのですが、ファシリティだけを取り上げるならばエアラインによってそれほど大きな差があるわけでもありません。評価に差がつくのは、やはりその会社で働いている人たちの接客態度であり、そこに表れてくる仕事への愛情と誇りのようなものではないかと、僕は思います。
こうして見ると、経営的にうまくいっているエアラインほど従業員がキビキビ&イキイキしていて、それに対する顧客満足度も高いというのは当然のことでしょう。勿論、これはエアラインに限ったことではありませんので、僕はそこから多くのことを学ばせていただいています。これからも多くの時間を機上で過ごすであろう僕にとって、エアラインはいろいろなことを教えてくれる大切な存在なのです。
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