拓海広志「八丈島で泳ぐ!」

 最近ご一緒する機会の多い海仲間の山浦光博さんと共に八丈島を訪ねた。僕らの目的はずいぶんシンプルで、「海でただひたすら泳ぎ、そして潜ること」。山浦さんは僕よりも一回り半ほど若いが、スイマーとしての実績・実力は相当なものだ。こういう人と一緒に泳いでいるととても気分が良い上に、その泳法も参考になるのでありがたい。


 山浦さんは、人々がスポーツを通して交流できる場を作るために、また引退したアスリートが引き続きスポーツで食べていけるようにと、同じ元アスリートの仲間たちと共に南房総にある「サンセットブリーズ保田」という施設の経営に携わっている。保田の港には僕もときどき船で立ち寄るが、次回は是非「サンセットブリーズ保田」に泊まってスポーツ三昧の1日を過ごしたいと思う。


 それにしても、八丈島の海はいつ来ても素晴らしい。今回は南東からの風波がかなりあったため、僕の好きな末吉沖で泳ぐのは見合わせ、中の郷の藍ヶ江や樫立の乙千代ヶ浜で泳いだのだが、いずれも透明度が高くて実に素晴らしかった。山浦さんは海亀たちの出迎えと、水深20メートルを越すところでも海面から海の底がくっきり見えるグランブルーに大いに感激し、僕も彼をここに連れてきてよかったと思った。


 山浦さんもそうだが、どういうわけか僕には30歳前後の友人が多い。この世代にはあまり肩肘張らない気さくな連中が多いが、実は草食世代と言われる穏やかな外見とは違って向上心と好奇心が旺盛だし、自分のこだわりをとても大切にする世代で、僕も彼らと付き合っていると結構刺激になる。そう言えば、先日枕崎で一緒に潜り漁を楽しんだ旧友の高橋素晴さんもこの世代だ。


 ひたすら泳いだ後は温泉。これもお決まりの流れである。今回は末吉の「みはらしの湯」から雄大な太平洋の大海原を眺めた。これは最高に気持ちがいい。ただ身一つで泳ぎまくるだけの週末だが、海と温泉と星空が素晴らしければもう何も言うことはない。「八丈島にはそれが全て揃っているのだから最高だよな」というのが、僕と山浦さんの結論だった。


(無断での転載・引用はご遠慮ください)


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