拓海広志「『カルトか宗教か』に寄せて」

 「健康」「癒し」「自己発見」「自己開発」といったものを求める、一見何の問題もなさそうな社会潮流の中にカルトが潜むことがあります。


 日本社会がオウム真理教を生み出したことや、その活動が長い間放置されていた背景に、こうした「健康カルト」の広い範囲への影響があることを指摘する『カルトか宗教か』の説明はとてもわかりやすいです。


 著者の竹下節子さんはパリ大学カトリック史、エゾテリズム史を学んだあと、パリでアーティスト支援の文化協会を主宰して活躍している人です。


 数々のカルトが台頭しながらもそれらを咀嚼、消化してきたフランスで暮らしたことが、その知性と感性を大人のものとしたのでしょうか。


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 拓海広志『『カルトか宗教か』を読む』


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