拓海広志「『一千一秒物語』に寄せて」
数あるタルホ作品の中でも、僕が一番好きなのは掌編小説集『一千一秒物語』です。ウィスキーを片手にこの本を読み、かつての神戸の夜を、あるいはプラハやエジンバラ、ダブリンあたりの街角を思いつつ、宇宙を幻視するのは至福の一時です。
そう言えば、『スモール・プラネット』のたむらしげるさんがイラストを描いた絵本版『一千一秒物語』も悪くないですね。星や月との語らいを想い、夜が待ち遠しくなってきます。もっとも、個人的にはイラストなしの方が想像力をかきたてられるけど・・・。
ちなみに所収の『星を売る店』の舞台は神戸の新開地。当時の新開地って今とは比べ物にならないくらいモダンでエキゾチックな街だったのでしょう。
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拓海広志『海峡物語−N君のこと』
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